自然豊かな日本には、お花見やお月見など、自然の美しさを愛でる風習があります。古くは平安時代に、「をかし」や「もののあはれ」といった言葉が生まれ、そうした自然の美しさや儚さに情趣を感じる感性は現代の私たちにも深く根付いています。水面にうつる神秘的な月光や、夜空に煌めく満天の星など、自然美をモチーフにしたうつわをぜひご高覧ください。

「花霞」とは、遠くに群がって咲く桜の花が、一面に白く霞のかかったように見えるさまのこと。咲き誇る桜の美しくも可憐な色目をうつした花霞は、見ているだけで、うららかな春の陽光を思い起こさせます。また、うつわの底にガラス釉がたまり、柔らかな雰囲気のなかにもキラリと輝く一面をもっています。

雨上がりの若葉からこぼれ落ちた雫の、静かな水音をイメージしたうつわ。ガラスの中には、キラキラと輝く鉱物・雲母の粒が入っており、水に揺らめく光を表しています。光が当たると水輪の影が映り、透き通った晴れやかな空気を食卓に運んでくれます。

満天の星をたたえる天の川のような「青輝天目」。黒の釉薬の中に、銀色の小さな丸い点文様を施すことで、星の輝きを表現しました。神秘的で美しい輝きを放つうつわを見ていると、宇宙に浮かぶ満天の星を眺めているような気持ちにさせてくれます。

初夏、そよ風になびきながら、生き生きとした緑に色づく楓。桜の季節が終わり、木々が若々しい葉をつけ始める新緑の季節を知らせてくれる植物です。日本の古き良き風物を喚起しながらも瑞々しい生命力を感じさせてくれます。

月華とは、月の明かりのこと。水面に映る月光のように、角度によって表情を変える幻想的な輝きが魅力です。透明感を持ちながらも、華美な存在感を放つ結晶模様は、見るものの心を惹きつけます。日々の暮らしをほんのりと照らすうつわです。