縁起の茶碗|匠の伝承
秘窯の里、大川内山

江戸時代、肥前佐賀藩鍋島侯が将軍への献上品として莫大な費用をかけてつくり上げたのが鍋島焼です。技術の流出を防ぐために自由に出入りできない「秘窯の里」と呼ばれた大川内山で、最高の技術で品格ある焼物がつくられました。 その地で、鍋島焼の伝統を四代に亘り継承し、使い手の心に響くモノづくりを続ける畑萬陶苑があります。

畑萬陶苑 四代目 畑石真嗣

昭和元年、畑石萬太郎により萬洋窯の名で創設。のちに畑萬の代表作となる山水絵が生み出されます。戦後、二代目・畑石春幸が畑萬製陶所を設立。山水絵の売り出しに取り組み、一躍畑萬としてのブランドが知られるようになりました。三代目・畑石正博により社名を畑萬陶苑と改め、墨山水という独自性のある商品を開発。平成二年、四代目・畑石眞嗣が社長に就任し、伝統技術の担い手として活動を続けています。伝統美と職人の手仕事による巧みの技を継承し、使い手の心に感動を与えられる仕事を目指しています。

精緻な技巧、墨はじきと櫛歯文

墨はじきとは、青海波文、七宝つなぎ文などの細かい地文を表す際に使われる技法です。白くしたい部分の線を墨で描いていきます。素焼した生地に墨で文様を描き、その上から呉須を塗る。これを本焼きすると、呉須は青色に発色しますが、墨描きの文様は白抜きとなり、ムラのない薄青地の連続文様が現れます。奥行きを感じる遠景が生まれます。

また、櫛歯文も鍋島焼の特徴の一つです。高台に寸分の狂いなく櫛の歯のように等間隔に描かれた文様は、描はじめと描き終わりの見分けがつかない程ほどの精密さを見せます。

縁起の文様

器の中でもとりわけ自分個人のものとして使われるご飯茶碗と湯呑茶碗には、格別のこだわりがあるものです。大きさ、持ちやすさ、口当たりの良さはもちろんのこと、素材や絵柄の良さ、その意味するところにまでこだわりがある、わたしだけの器。
そのような格別の茶碗をつくり上げるために畑萬陶苑に制作を依頼しました。
鍋島焼が連綿と継承してきた卓越した技術を存分に用い、器の内外に縁起の文様を施しています。

六瓢
描かれた六つの瓢は、六瓢転じて無病息災。病気をせず元気で健やかでありますようにとの願いを込めた文様で、縁起良く、形も楽しい文様です。
目にも鮮やかな、赤、黄、緑と色絵鍋島ならではの上絵絵具と染付で描き込んだ逸品です。
宝づくし
宝珠、宝袋、巻物など吉兆をもたらす縁起物を描き込んだ逸品です。
墨はじきで描かれた青海波もいくつもつながることから縁起の良い文様です。
たち吉オリジナル商品

器の中でもとりわけ自分個人のものとして使われる飯茶碗や湯呑だからこそ、大きさ、持ちやすさ、口当たりの良さ、さらには素材や絵柄の良さ、その意味するところにまでこだわりました。九州の地で採れる透きとおるような白さの美しい白磁に、縁起が良いとされる文様を描いています。組み合わせたり、ペアで楽しんだりしていただけるように、瓢箪の絵柄は朱と紺の対の絵付になるようにつくりました。また宝づくしの文様は、華やかな色絵と濃淡が美しい染付の対になるように仕上げています。連綿と継承する卓越した技術を、日々の暮らしの中で感じていただきたいという想いからです。
格別につくり上げられた器を通して、上質な暮らしをお届けします。