長く使えば使うほど深みを増していく色艶は、漆器ならではのもの。
独特の美しい光沢と肌触りをもつ漆器で正月の食卓を彩れば、凛とした気持ちで1年を迎えられそうです。
迎春にぴったりな、重箱やお椀、屠蘇器をご案内します。

お屠蘇 ~1年の健康を願う~

元旦に、邪気を払い、不老長寿を願って飲むお屠蘇。お屠蘇とは、生薬やみりん、お酒で作る薬酒です。平安時代に中国から伝わり、宮中の元旦の儀式となりましたが、江戸時代には一般庶民にも広まりました。
お屠蘇はおせちを食べる前にいただきます。飲む順番は年少者から年長者へと進めていきます。これは若者の活発な生気を年長者が飲み取るという意味合いと、毒見の名残だといわれています。
生活スタイルの洋式化が進み、正月にお屠蘇をいただくことが少なくなってきているかもしれませんが、来る1年の健康を願い、来年からお屠蘇をいただいてみてはいかがでしょうか。

重箱 ~福をつめる~

正月の祝いの膳を華やかに彩るおせち料理。もとは季節の変わり目の節句に、年神にそなえる「節供(せちく)」という食べ物でした。年数回の節句の中で、正月が一番重要であることから、正月料理だけを「おせち料理」と呼ぶようになったそうです。
縁起のよい食材で作られたおせち料理を重箱につめることは、「福をつめる」「福が重なる」といった願いが込められています。1年のはじまりには、家が栄えることを願って家族でいただきたいものです。重箱は、お正月のおせち料理だけでなく、年数回の節句や行楽のお弁当、さらにはおもてなしのシーンにも使っていただけます。

雑煮椀 ~年神様の恩恵をいただく~

元旦の朝にめでたくいただくお雑煮は、年神にそなえた餅を元旦の朝におろして、おせち料理などと一緒に煮たのが始まりと言われています。年神につながるお供えを食べることで強い力をつけ、1年を幸せにすごしたいと願ったのです。
現代のお雑煮は、地方によって具材や味付けはさまざま。その土地の特色が表れたお雑煮を塗物のお椀でいただけば、凛とした気持ちで新しい1年を始められます。
蓋付きの椀は、お正月の食卓を少しあらたまった特別な雰囲気に染め上げます。