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元女貴之(がんにょたかゆき)

元女貴之

たち吉オープンギャラリー Vol.1元女貴之 takayuki gannyo

たち吉は、うつわを中心とした工芸作家の発信を支援する「オープンギャラリー」を開設いたしました。
オンラインショップでの作品販売や実店舗での展示をサポートしていきます。
第1回は、九谷焼の作家・元女貴之(がんにょ たかゆき)さんを紹介します。

元女貴之

石川県能美市の九谷焼の開祖・斎田道開を祀る「陶祖神社」のすぐ近くに工房を構える元女さん。
360年の歴史を誇る伝統工芸・九谷焼の地で、日々創作に向き合っています。
もともとたち吉の器を自宅でもよく使っていたという元女さん。たち吉のInstagramで募集を見かけ、「親しみを感じて応募しました」と話してくれました。

元女貴之

創作のはじまり

30歳のときに統合失調症と診断され、入院・治療を経て九谷焼の障害者向け訓練校に入所したことが、陶芸との出会いでした。訓練に励む中で、九谷焼作家・山田義明さんと出会い、作品集をもらったことが大きな転機となります。その後、県立九谷焼研究所で講師を務める山田さんと再会し、本格的に花や草木をテーマにした絵付けに取り組むようになりました。2019年には「石川の伝統工芸展」に初入選。以降、独自の感性と筆致で九谷焼の世界を広げています。

元女貴之

作品の魅力

元女さんの作品は、白磁の器に花や草木が静かに、そして鮮やかに描かれています。
九谷焼らしい華やかな色づかいと、繊細な余白の美が調和し、まるで器の中に自然の息づかいや時間の流れが閉じ込められているかのようです。
代表作のひとつである連作シリーズでは、花が「つぼみ」から「満開」へと移りゆく姿を六枚の皿に描いています。
それぞれの皿が一瞬の「時」を切り取り、並べることで花が命を宿し、自然のリズムや季節のうつろいが静かに伝わってきます。観察眼と筆づかいの確かさ、そして自然に寄り添う優しいまなざしが感じられる作品です。

元女貴之

鬼百合への想いと新たな挑戦

なかでも元女さんが特に惹かれるのは、華やかで野趣あふれる「鬼百合」。
反り返る花びらや独特の斑点を繊細な筆で描き、生命の躍動と優美さを一枚の器に表現しています。釉薬の流れや余白が、夏の風や光を感じさせ、自然の一瞬を閉じ込めたような瑞々しさがあります。
近年は馬や虎など動物のモチーフにも挑戦。柔らかな線描で生き物たちをいきいきと描き出し、自身の経験をもとに“夢の中の情景”のような新しい画風も探求しています。
静けさの中に物語が息づく——そんな元女さんならではの世界が、今まさに広がっています。

元女貴之さんの作品は、12月中旬オンラインショップで公開予定です。どうぞお楽しみに。
 
元女貴之

元女貴之 陶歴

1982
石川県生まれ
2018
能見市美術展入選
2019
石川県立九谷焼技術研修所本科修了
山田義明氏の薫陶を受ける
石川の現代工芸展入選
伝統九谷焼工芸展入選
2020
石川県立九谷焼技術研修所研究科修了
KUTANism名工選「next 九谷」展(2021・2022)
2024
石川県デザイン展金沢市長賞受賞


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